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「世界がどんどん悪くなっている」という思い込み

「長い歴史において、世界は良くなってきている」。

そんな言葉に触発され、数年前、少し疑いながら読み進めた本がありました。

世界中で大ベストセラーになった『ファクトフルネス』という本です。

人間はもともとネガティブ思考(本能)によって、正しい判断を誤ってしまうことから、常に悪い方向へと考えてしまう生き物らしいのです。

その本能を利用して、興味と関心を惹きつけるためにメディアは不安を煽ります。

様々なネガティブ本能をいったん横に置き、事実に基づいた客観的データを基に検証すると、実は世の中はどんどん良くなっていることが沢山あることに気付かされます。

例えば、石油流出事故。1979年のタンカーから流出した油の量が636トンでしたが、2016年はたったの6トンにまで減っています。

また、HIV感染者数に関して、ピーク時期の1996年は100万人当たりのHIV感染者数が549人でしたが、2016年には241人にまで減少しているのです。

戦争や紛争の犠牲者に関しては、犠牲者数10万人当たりの数で見てみると、1942年は201人であったのに対し2016年は1人。

有鉛ガソリンが合法な国の数は、1986年には195カ国中193カ国が有鉛ガソリンを合法とみなしていたのに対し、2017年はたったの3か国。

環境破壊が叫ばれている昨今、このような何かしらの不利益?になるニュースなど、全く報道しませんが。

それは、良いニュースよりも悪いニュースのほうが、人々の関心を惹きつけるからに他なりません。

強制労働が合法的な国又は政府による強制労働が行われている国の数で比較して見てみると、

1800年には195カ国中193カ国が奴隷制度を合法としていましたが、2017年にはたったの3カ国にまで減少しています。

乳幼児の死亡率では、5歳までに亡くなる子供の割合は1800年には44%もいました。子供が100人生まれたら44人が死亡するという耐え難い事実がありました。

では2016年ではどうでしょうか。残念ながら全ての乳幼児が生存できる世の中になってはいませんが、4%まで激減しています。

死刑制度も、1863年時点で死刑制度がある国の数は、195カ国中で193カ国ありました。しかし2016年は89カ国にまで減少。

世界中の子供(5歳〜14歳)のうち、朝から晩まで劣悪な環境で働く子供の割合は、1950年では全体の28%もいましたが、2012年では10%まで減少。

核弾頭の数は、1986年の64,000発から、2017年では15,000発まで減少しています。

飢餓も激減しており、世界の全人口のうち、低栄養の人の割合は、1970年では28%でしたが、2015年には11%まで改善しているのです。


その他沢山の事実が掲載されており、明らかに世の中が良くなっていること、そして未来は絶望ではないことに気付かされます

一方で、問題や改善すべき課題はまだまだ沢山あります。しかし、問題と課題のみで覆うニュースでは、偏ってしまいますね。

やはり、人間、中庸であることが一番だと思います。

偏った情報だけを鵜呑みにすることは、世の中を大衆化してしまいます。自らの頭で考え、本当にそうなのか?という懐疑的な発想も持って、俯瞰的な生き方を私はしていきたいと思います。

ファクトフルネス、よかったら一度読んでみては如何でしょうか。