交通教本から学んだこと。
以前、運転免許証の更新に行ったときのお話です。
講習時に配られた『交通教本』をパラパラめくっていると、反応と加齢に関する興味深い実験結果が記載されていました。
そこには、『反射的反応動作』と『誤反応』を年齢別にグラフでまとめられていたのです。
近年は特に、高齢者によるアクセルとブレーキの踏み間違い事故が問題となり、世間的にも関心が高いと思います。
実験内容は、画面上に青、黄、赤の3種類の色のいずれかが無造作に点灯し、青ではアクセルを踏み、黄色ではアクセルを離し、赤色ではブレーキを踏むというものです。
異なる反応を50回試行し、選択反応時間と誤反応をデータ化。
さて、その結果どうだったか?写真をみてもらうと分かるように、選択反応時間の年齢による差は、ほとんど無いことに驚きました。
まず、19歳までは、次の選択(例えば、青から赤に点灯が変わる)に要する平均時間は、0.5秒とどの年齢と比べても一番速いです。ここは想像に難しくないと思います。
年齢が上がっていくと、徐々に反応時間がかかりだしますが、50代でも0.6秒と、19歳までの反応と0.1秒しか変わりません。
そして、60代70代は?というと、0.6秒代でほとんど変化がないのです。
つまり、10代でも70歳以上でも、反応にはそれほど大きな時間の歳はないということです。(写真参考)
これは意外で非常に驚きました。
しかし、次の誤反応を見てみると、ここに大きな差が生まれることがわかりました。
誤反応は、19歳までが2回を上回り、30代が一番少ない2回弱。40代は再び2回を越し、50代で3回、70代になると4回以上誤反応が出ていました。
この実験でわかったことは、選択まで要する時間は、どの年齢でも大きな差はありませんが、間違ってしまう回数は40歳以降、年齢が高くなるにつれ大幅に増えてしまうということです。
ということは、年齢が上がるにつれ、選択する時間は少しかかってもいいので、誤反応を極力減らせれば、アクセルとブレーキを踏み間違えるような大惨事につながる事故を大幅に防ぐことができるでしょう。
選択時間に少し時間がかかってもいいように、出来るだけゆっくり運転することや、焦ってしまうような場面に遭遇しても、落ち着くことを意識すること。
こういったリスクコントロールが、必要ですね。
誰もが1年に1歳、年齢は上がります。
過信せずに、心掛けていきたいものです。