「楽しむ」人 と「愉しむ」人
4月に入り、暖かい日が続いています。
この週末がお花見のピークかもしれませんね!
さて、今回も同じような言葉なのに、漢字の使い方によって意味が変わる、なかなか興味深いお話になります。
「楽しい」と「愉しい」はどんな違いがあるのでしょう?
一般的によく使われるのは、楽しいですね。これは、喜怒哀楽の「楽」に由来します。人にとって、とてものぞましい状態が「喜」と「楽」です。つまり、のぞましくない「怒」や「哀」とは違う気持ちの状態です。
出来るだけ、喜びの多い「楽しい」状態でありたいものですね。
さて、この喜怒哀楽という感情をもう少し考えてみると、置かれた環境や、その状況において起こる感情と言えませんか。つまりは、日々変化する周囲の出来事に対する自分の感情だということです。
なので、全ては「受動的」な感情なんですね!
だから、楽しいというのは、与えられた環境や状況の枠の中で生まれている感情、そんなイメージとなります。
それでは「愉しむ」とは如何なる場合に使うのか?
この愉しむという漢字には、りっしんべんがあります。
りっしんべんは「心」を表しています。
つまり、心から自分がたのしめる状態を言います。
自分が心からたのしむ事や状態。先程の受動的ではなく、「能動的」な状態だと言えます!
人から見ると、すごい努力しているなぁ〜と見える事があると思いますが、愉しんでいる人には「努力」とは感じていないのでしょう。全部含めて「心から愉しむ」ことをしているのだと思います。
娯楽や気晴らしは、楽しいの範囲ですが、自分だけの世界や人からどう見られていても、やりたいからやっているという「愉しみ」を持って生きている人は、幸福な人かもしれませんね。
禅語に、「随所に主となる」という言葉がありますが、これはどんな場面においても自分が主となって行動するという意味があります。
どんな所にいっても主体的であれば、どんな状態であっても、深い意味で人生そのものを愉しむことに繋がるのかもしれませんね。
愉しむことが増える人生でありたいと思います!