学校のプールが世の中から消える!?
全国津々浦々、日本の小中学校に当たり前のように備わっているプール。そのプールが、学校から消えてしまう・・・。嘘のようですが、実はそんなに遠い未来の話では無さそうです。
夏になると必ず体育の授業では、プールで水泳の授業がありましたね。私の通っていた小学校では、プールに入る前に必ず通らなければならない『地獄のシャワー』と恐れられたシャワーがありました。とにかく、シャワーの水圧が強い。それが四方八方から容赦なく降り注ぎ、また冷たい。痛さと冷たさでとにかく苦しい!水が苦手な生徒は、地獄のシャワー前でたじろぎ、よく泣いていました。シャワーの操作を操る先生の、いたずらめいた態度にもちょっと腹立たしさを覚えたことを思い出しました。
そんな私の思い出はさて置き、この学校プールに今、廃止の波が押し寄せているのをご存知でしょうか。
公立の学校に、今の形のプールが備わった多くは戦後らしいですのですが、特に普及が増したのは東京オリンピック以降、70年代が中心でした。
一つの理由に、オリンピックでの日本競泳選手の活躍がありました。1968年には学習指導要領の改訂で、水泳が体育の授業に組み込まれ、これが夏の体育の授業はプールというスタイルが確率されたのです。
それ以前も、日本は江戸時代から水練といったものがあったそうです。流石は四方を海で囲まれた島国です。それから、明治大正を経て、昭和には、旧制高等学校、師範学校にプールが設置されたと言われています。そして、戦後の高度経済成長と相まって、小中学校ではプールが備え付けられたのです。
もう一つの理由は、水難事故が相次いだ事とされています。戦後、多くの小中学生が亡なるといったいたたまれない事故が相次ぎ、より一層水泳の必要性が出てきたのでしょう。
そんな歴史ある学校プールが無くなる。なぜでしょうか?
大きくは財政の問題です。今のプールの多くは建設から40〜50年が経過しています。老朽化が目立ち、大規模改修や建て替えの必要性が出ているのですが、人口減少などを背景に財政が厳しく、それらを見送らざるを得ないという現状があります。
現在は市民プールを活用したり、民間委託などを行う学校も増えているようです。
スポーツ庁の調査によると、野外プールの保有率は2021年度時点で小学校が87%、中学校の生徒が65%と、2018年度からそれぞれ1割も減っているといいます。
これも時代の変化ですね。
これからは、学校の近くにある市民プールや、屋内にあるスイミングスクールなどで、インストラクターから水泳を学ぶことになるかもしれません。
学校のプールが無くなっていくことは寂しいですが、水難事故を防止させたり、そもそも水中というものを知るプール授業は大切ですから、存続するための変化、大切に見守っていきたいものです。