
あの戦争は何だったのか
今年も終戦の日を迎えました。
今年は戦争が終わり80年。昭和元年から100年という節目の年。テレビやネットなどでも、例年に比べて特別番組やドラマが放送されています。
この年齢になってくると、あの戦争とは一体何だったのか?なぜ起こったのか?を考えるようになりました。
すると、今年に発売されたこの本に出会いました。
【「あの戦争」は何だったのか】

著者は近代史研究者の第一人者である辻田真佐憲氏。1984年生まれと非常に若く、非常に良いバランス感覚を持っているように思う。
このバランス感覚とは何か?というと、非常に偏りやすい『戦争論』についてのバランスです。
戦争論的な話になると、どうしても思想やイデオロギーが色濃く出てしまう側面が常ですが、著者はそのイデオロギーは無くせないとしつつ、だからこそのバランスをしっかり取って進もうとする、ある種の緊張感を読者と共有してくれるのです。
具体的には、今ままでの歴史観的な概念は、大きく二つに分かれています。
①日本を加害者として見る左派的な十五年戦争史観。
②日本を被害者として見る右派的な東亜百年戦争史観。
そして近年は、こうした見取り図を排して、史料に基づいて細かく分析するべきだと主張する実証主義が増えてきたと著者は記しています。
どちらに偏るでもなく、細かな戦闘戦術だけを書いた実証主義でもなく、大きな全体的な流れの中で、日本がどういった立場に置かれ、どのような判断をしていったのか。
被害の面も、加害の面も明らかにしながら全体像を伝えてくれる。本当に分かりやすい内容でした。
あの戦争は何であったか。概要をしっかり知っておきたい!という方にはとてもお勧めしたいです。
戦後から1年1年遠ざかる今日。
現役世代がしっかり戦争という歴史を学び、後世へ引き継がねばならない。年々強く思うこの頃です。