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文学部の逆襲

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以前、波頭亮著書、「文学部の逆襲」を読んだことがありますが、人間の普遍的な物語についての研究が非常に面白く味わえる、そんな内容でした。

まず、世界には、約7000もの言語があり、神話の数も同程度存在しているようです。

そして、20世紀後半になって、レヴィ=ストロースら文化人類学者が行った世界中の多数の神話調査によって、発見されたことがあります。

それは、世界中のほとんどの部族の神話は、世界の成り立ちを示した「創造の話」と、自分たちがどこから来たのかを語った「部族の来歴の話」によって構成されているというのです。

面白いですね!

さらに研究が進み、ロシアの民族学者ウラジミール・プロップや、アメリカの神話学者ジョーゼフ・キャンベルらの研究によって、

太古から伝わる物語は、極めてシンプルで普遍的なパターンが存在することが明らかになりました。それは、

①主人公が日常を離れて冒険の旅に出る
②旅先で強力な敵や難題に遭遇する
③苦労の末、敵や難題に打ち勝つ
④日常の世界に戻る

というパターンの展開になっているんです!

この分析が興味深いのは、多くの地域や民族の神話や昔話に共通しているだけではなく、現代の作品にも同様に当てはまる点です!

スターウォーズもジブリも、ドラゴンボールも1話完結型のアンパンマンも、みんな上記のパターンに当てはまりますね!

とても面白いのは、今も昔も、人間の脳の情報処理パターンを根拠とした、普遍的なストーリーには意図的にこのような構成で作られていて、人間に心地よく語り継がれやすいということです。

だから、文字が生まれるずっと前から、語り継がれてきたのでしょう。

こういった物語が人間を繋げ、民族のアンデンティティを支え、関係性を強くし、繁栄をもたらしてきたといっても過言ではないと思います。そして、人間が求めていることかもしれませんね!

今も昔も変わらない。
そんなことを味わえる1冊でした!


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