明治初めに流行ったペットとは?
今から約150年ほど前、明治のはじまりのころには、東京で流行したものとして、ザンギリ頭に帽子、新聞屋、士族の商法、牛肉屋の開店などがありました。
鉄道やレンガ造りの建物など、文明開化の中心となった東京で、実は珍しいペットが大流行しました。それは、外国産の珍しい兎(うさぎ)です。
「秘密の兎会」といった文字が新聞を賑わせたようですが、どうやら珍しい毛並みの兎は人気を博し、当時の巡査の初任給が4円程度だったのに対して、中には1羽数百円もの高値で取引されるなど、商家など富裕層や士族、僧侶までが熱狂したというのです。
兎は投機の対象となり、兎で一攫千金を目論む者も現れます。中には、白い普通の兎に色を塗った偽物を売るものが現れるなど大混乱。しまいに東京府は「兎会」の禁止に乗り出したのです。
最終的に東京府は、兎の売買を認めるかわりに、飼育する兎も含めて1羽につき月額1円の兎税を課せました。
兎1羽で月1円というのは、とんでもない重税です。
結局、この兎税の導入により、兎の価格は暴落。店先や兎会から兎の姿は消えてしまいました。
異常な兎のブームは沈静化しましたが、これは兎にとっては悲劇が襲いました。
二束三文で売買されたり、川に捨てられたりと、散々な目にあったといいます。
ただ、一部の兎愛好家たちは、その後も高い税金を払いなからも、ペットとして飼育し続けたようです。
今の時代も転売やお金儲けだけの手段で、本当に必要で欲しい人のもとに行き届かないことがよくありますが、憐れな結末にならないよう、節度を守ることが大事ですね!