人として考える!
9月に入り、朝晩の気温が和らぎ、少し過ごしやすくなりましたね。季節の変わり目を実感しています。
さて、昨日の新聞に気になる記事がありました。外国人労働者である技能実習生の失跡が過去最多であるという内容です。
技能実習中に失跡した外国人は2023年は9753人で、前年よりも747人増え、2020以降、増加傾向です。
22年末時点の在留実習生と、23年の資格取得者を合計すると、51万9千人ですから、そのうちの1.9%に当たる実習生が失跡していることになります。
19年〜22年の失跡者は4万607人。そのうちの75%に当たる3万631人は、既に出国したり摘発されたりして所在が判明しているようですが、それ以外の9976人は、どこにいるかも分かっていません。
文化や言語の違いなど、失跡者それぞれ理由はあると思いますが、やはりパワハラやセクハラ、キツい労働環境を強いられるなど、被害を受けているケースも多いようです。
以前、NHKの番組『最後の講義』で、政治学者である姜尚中さんが、日本の技能実習制度で外国人を受け入れる問題点、課題をお話しされていたことを思い出しました。
それは、根本的に『労働力』でしか見ていないという指摘でした。
労働力として日本に来た人が、やがて家庭を持って日本の地域社会を担っていく人として定着する場合がある。そういった形で日本の社会が、共に生きる人として受け入れるコンセンサスが出来ていないというメッセージでした。
考えてみれば日本は戦後、G7で唯一、外国人労働者を受け入れず、経済大国に成長を遂げました。
これは、主に東北地方の農家の方々が、農業ができない冬の間、単身赴任で都会へ出て、ビル工事や大変危険な仕事を担っていたことで成し遂げられました。
その時も、多くの命が奪われ、また厳しい労働環境を虐げられたことでしょう。
今は、過去の問題点を指摘しあい、時代が進み少しずつ労働環境は改善されてきています。我々が考えなければいけないことは、『労働力』や『生産力』として人を観るのではなく、『人』として共に生きていく間柄であるという自覚だと思いました。
これから、もっともっと日本の労働環境や、自治のあり方は変わっていくでしょう。いつの時代も、やはり人を大切にし、お互い様といって視点で生き合っていくことが大切ですね!