実に面白い!かき氷の歴史
9月も中旬を迎えようという季節ですが、まだまだ真夏日の天気ですね。一体、いつになれば涼しくなるのでしょう。こんな暑い日はかき氷で身体を冷やしたいものです。
さて、そんな『かき氷』ですが、いつ誕生したのでしょう。先日、新聞の記事にかき氷の歴史を巡る面白い記事がありました。
その記事によると、最古の記述としては、なんと平安時代の清少納言『枕草子』に、「削った氷に蜜をかけたもの」が出てくるそうです。まさにかき氷の原型です。冬に氷を貯蔵し、夏に楽しむ高級おやつとして、平安時代の女房たちの間で楽しまれたのかもしれません。
では、いつから庶民の夏の風物詩になったのでしょうか?記者が調べたところ、どうやら幕末から明治にかけて、氷を巡る革新が起きたそうです。
1869年(明治2年)、米国で氷の製法を学んだ町田房造という人が、本格的なかき氷店を横浜の馬車通りに開きました。最初は一片の氷を水に浮かべただけでしたが、行列で2時間待ちだったといいます。
当時、氷はアメリカボストンから輸入をしていましたが、中川喜兵衛という実業家が、富士山麓、日光、青森などで採氷を試し、北海道五稜郭の外堀から切り出した天然水の商品化に成功します。ボストンの氷より安く品質も良かったことから、採取、販売業者が勃興。かき氷は一大ブームとなりました。
国産天然氷が席巻するなか、1883年、日本人による初の機械製氷会社『東京製氷』が発足。ここから、天然氷と人工氷の戦いか始まりました。
この戦いに収束をもたらしたのは1887年のこと。皇太子(後の大正天皇)が東京製氷の工場見学に訪れ、鑑賞用に花を入れた『花氷』を明治天皇へのお土産にしました。すると、宮内省は「宮中に納入する氷は機械氷に限る」と告示。製氷会社してやったりというところでしょうか。
それから昭和の高度経済成長期には冷蔵庫が普及。1961年には氷生産量はピークを迎え、製氷の黄金時代が到来します。かき氷に多種多様なシロップをかけて食べる。これは私の子供の頃のかき氷の代表的なものでした。
今は、氷をふわふわに削ったものに、シロップだけではなく、密やフルーツをのせて味わうといった、おしゃれなスイーツに進化しましたね。1つ1,000円を超えるものまで誕生し、我々世代(昭和53年生まれ)の、あのお手頃なかき氷も減ってきたように思います。
かき氷の歴史も、振り返ってみるととても面白いものですね。さて、これからかき氷はどのように変わっていくのでしょうか。それも楽しみです!
まだまだ暑い日が続きますが、皆さんお身体を大切にお過し下さい。