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3つの視点から幸福を考える。

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人間の幸福とは何でしょうか?というのが、今回のブログのテーマにしました。

幸福とは何か。この永遠のテーマといえるこの問いに明確な答えを持つ人。そんな人がいるのかどうなのか。

幸福という問題に、「心理学者」「性科学者」「経済学者」の3方向から、どのような定義づけをしているか、まとめてみました。

◆心理学者の視点

年収の高い人低い人、パートナーがいる人いない人、自分のコミュニティがある人ない人など、同数比較調査を行う研究がありました。

その結果、ある程度年収が高い人、パートナーがいるという人の方が、幸福だと思っている人が多いという相関関係がわかりました。ただ、年収が高ければ高いほど幸福であるという事はありませんでした。

また、どんな家庭に育ち、どんな教育を受けたのかなどのバックボーン(歴史)も大きく影響しているようです。

◆性科学者の反論

性科学者の立場からは、その人の背景や立場はほとんど関係ないという視点でアプローチをしています。

それは何故かというと、人間が「幸せだなぁ」と思っている瞬間には、体が快楽を感じているからだというのです。

快楽の基は、「ドーパミン・セロトニン・オキシトシン」などの成分が分泌されている状態のこと。ようするに、体が快楽を感じることが幸福感であると定義したのです。体の反応なので、ずっと幸福感(快楽)は続きません。

もう一つは「遺伝的要素」が関連しているのではないか?という視点です。

ある人が、幸福だと思えるメーターが6〜10あるとします。一方で、幸福感を感じるバロメーターが3〜5ぐらいの人もいる。同じことが起こっても、前者の方が明らかに幸福を感じられる体質があります。

幸福は体の反応と定義するのが、性科学の立場なんです。


◆この2者をまたまた真向否定したのが、ノーベル賞受賞した経済科学者、ダニエル・カーネマンです。

カーネマンの研究は、多くの人に、状況や、やっていたこと・思いなどをヒアリングします。

例えば、乳幼児を世話すると、おむつを変えたり、泣いたりと大変なことが起こるでしょう。それでも子供が生きがいだと思う人は多くいます。ようは、「意味づけ」が幸福に影響すると定義したのです。

もし、快楽を感じるだけなら、おむつの世話は不快なだけです。嫌なことも含めて、行動の物語にどんな意味づけをするのかで、幸福や不幸を定義付けるという考え方です。

ここまでみると、共通することは

①外部的な環境がよくなる・わるくなるという事ではない。

②その人の感情が明らかに幸福を決めている。

ここまでの3つの立場の学者による幸福の定義が本に我々の幸福とイコールになるのであれば、

感情を良くすることを求め、同時に悪い感情が起こることを避けようとする。これが人を幸福にするものである!と言うことになりますね!

さてここで、松本清張の小説【砂の器】を読んだことがあるでしょうか?

砂浜の砂で一生懸命、器をつくる。
出来上がった器に喜ぶ間も束の間、
押し寄せた波が一瞬で流されてしまう。

一生懸命に作ったものが、一瞬で消えてしまうことさえあるのが、我々の生きる世界である。

つまりは、自分の心が喜ぶ事をするようにしても、自分の都合とは関係ないところでやってくる波がある。

流されることを悲しんだり、また作り直して喜んだりして、あたら短い人生を生きているのが人間なんだと思い知らされる。

思い通りにならないのが人生であります。それでも生まれたからには、今日1日を大いにエネルギーを出して生きること、そしてそこに、幸福を感じるような、生きる意味づけをする人間最大の幸福なのではないかと思います。

なかなかこのテーマは腰があるようです。

皆さんにとっての幸福とは何でしょうか?


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