
消費税とは何か その3
さて、前回、前々回のブログでは、「消費税」の真実について、お話をして参られました。
消費税が実質的に、消費者からの預かり金ではないということは、どういった不都合を招くのか?
それは、納税義務のある「事業者」が大変だ!という言葉に尽きるでしょう。
なぜならば、まず一つに単純に利益が減りますよね。そうして、ここが大きいのですが、消費税は売上に対してかかる税金だからです!
ピンとこない人もいるかもしれませんが、法人税と比較すると分かりやすいです。
法人税とは、会社の売上ではなく、【利益】に課せられる税ですね。たくさん付加価値を生み出して、仕入れや人件費などの経費を引いて、儲けが出たら税金を払ってくださいね!といった、ある意味で当たり前の税となります。
しかし、消費税は売上にかかる税ですから、【儲け(利益)が出ようが出てまいが、『売上』に対して10%納税しなければならない】といった過酷な税なのです!
もちろん、政府の言い分もわかります。適正な経費や原価に基づけば、適正な売価を付けられる。そうすれば当然適正な利潤が得られるので、そこに10%分の消費税(実際には販売価格の一部)を載せて売ればいいじゃないか?という事ですよね。
すべての企業がこうであれば、消費税を納税しても問題ありません。赤字にもならないし、低賃金労働者も必要ないでしょう。
しかし、現状はどうでしょうか。中小企業の約7割は赤字です。そもそもが、『適正な利潤』をのせて販売などできていないのです。
それもそうですよね。これだけ物価高で仕入れ値も上がる。中小零細は大企業から安く買いたたかれる傾向がある。そもそも、消費税分価格転嫁したくとも出来ない厳しい現状が待ち受けている。
消費税はこれだけではありません。最近になってようやく世間の話題に上がりましたが、輸出企業への【輸出還付】の存在です。
これはトランプ大統領の関税政策によって浮彫にもなりました。なぜなら、日米の貿易について、消費税の存在が日本企業に非常に有利に働くとの見解があるからです。
例えば、日本もアメリカも、お互いに商品を輸出する際に、製造原価などのコストと、関税がかかります。いったん、この2つの存在が平等にかかるとしましょう。
でも、日本の企業は原価を仕入れるとき、国内の仕入れ先の業者に消費税を支払います。仕入れたものを商品にして国内で売る場合は、消費税分の価格を商品に上乗せして売るのですが、アメリカへ輸出する場合、消費税分を価格転嫁できません(アメリカには消費税がありませんので)。
そこで、支払った消費税分を還付しますね!という仕組みが成立しているのです。これが【輸出還付】制度です!
つまり、この制度により仕入原価の圧縮が出来るわけですね!なおかつ、アメリカ側は日本に商品を売る場合、「輸入消費税」がかかります。
仕入原価においても日本のほうが有利、消費税も日本が有利であるなら、当然「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ大統領は、この不公平さを突いてくるでしょう。関税で調整すべきだと。

とまぁ、3回に分けて消費税について文章にしましたが、日本の経済がこれだけ停滞したことは、消費税の存在や仕組みが大きな原因の一つになっていると思います。
とはいえ、少子高齢化による社会保障費、年金など財源の課題は、多くの国民の心配でもあります。
だからこそ、自国建通貨であり、通貨発行権を有する政府が、正しい貨幣観と優れたバランス感覚で、経世済民を行うことが日本の急務であるといえるでしょう。
三度に渡って有難うございました✨