『思考の整理学』
刊行から37年経った今も、東大・京大生の間で、この10年で1番読まれた外山滋比古先生の著書「思考の整理学」。累計263万部の売上はすごいと思います。
冒頭、グライダーという文章に、とても含蓄のある言葉がありました。一部抜粋致して紹介させて下さい。
『われわれは、花を見て、枝葉を見ない。かりに枝葉は見ても、幹には目を向けない。まして根のことは考えようもしない。
とかく花という結果のみに目をうばわれて、根幹に思い及ばない。
聞くところによると、植物は地上に見えている部分と地下にかくれた根とは形もほぼ同形でシンメトリーをなしているという。
花が咲くのも地下の大きな組織があるからこそだ。
知識も人間という木の咲かせた花である。美しいからといって花だけを切って、花瓶にさしておいても、すぐ散ってしまう。
花が自分のものになったのではないことはこれひとつ見てもわかる。』
見えている結果のみに目を奪われ、花を咲かせるために必要な枝葉や幹、根は見ず、興味も沸かないというのが、我々かもしれませんね。
出来事の表面的なものだけではなく、本質的に多角的に思考する力を養わなければと思いました。
読書の秋。10月は出来るだけ沢山の本を紹介したいと思います。